サジヒロミさん

子育てサークル ホワイトウイングさんのメンバーの方よりプレゼントされた絵本。
「姉が描いた本です。お子様にどうぞ」

さく・サジヒロミ「みんなが つかう たてもの だから」

読んでみると、子供の目線を通してユニバーサルデザインと公共の場でのマナーを学ぶ内容。

面白い。

作者紹介を見ると、建築のお仕事もされていると事。
プレゼントしてくれた方に伺ってみると、建築事務所をされていてHPもあり、そこからイラストサイトへのリンクもあるそうで。

http://www.h2.dion.ne.jp/~saji-k/

建築のメジャーな仕事としては、独立前にメディアパークスピカのカフェ(今は無いけど)の設計をされたそうで、HPを見るとユーザー目線で丁寧なお仕事をされているのが感じられます。

イラストも独自の世界を持ちながらも、様々なテイストの作品を描き分けられる画力をお持ちで、多才な方はいらっしゃるものです。

プレゼントして下さった方に感想等でのメールのやり取りの中で、サジヒロミさんの作者としての絵本への想いを綴った文章を転送して下さいました。
胸を打たれる思いで、色々と考えさせられました。

転載の許可を頂きました。以下コピーです。



公共の建築物や一定規模以上の建物は
自治体の「福祉の街づくり」の要綱にのっとって
設計しなくてはならない、という決まりがあります。

すると 中には、残念なことに
「決まりを守らなくちゃ建築許可が下りないからしょうがなく
スロープや身障者用の駐車場やトイレなどの設備をつけました。」 
という様な建物も存在するわけで、果たしてそれが
利用する側にとって使い易いのかどうか、疑問に感じていました。

(わかりやすい例では数年前、「東横イン」というホテルが
竣工後に身障者用の駐車場を潰してロビーにしていた
 という事件がありましたね。)

そこで、「みんなのための建物とはどういうものか」ということを
使う側からの視点で紹介し、それを読んだ子供たちが将来
今よりもっと使いやすい建物を作ってくれたら良いなと思い、
このような絵本を作りました。

それから、使う側の思いやりも大切だということも
伝えたいと思っています。

実際 私の周りでも身障者用の駐車場に健常者が車を
停めてしまう場面を何度か目撃しています。
そんな大人に子供達から教えてあげれるようになれたら良いですね。

また、新聞で読んだのですが
オストメイトの女性が身障者用トイレを利用して出た後に
外で待っていた車椅子の男性に「いつまで待たせるんだ」と
怒鳴られて悲しい思いをした、という記事がありました。

皆が暮らす街にはいろいろな人がいるんだということを
お互いが知ることも大切なことですね。

この絵本を読んでそんな「大切なこと」に
気が付いてもらえたら嬉しいです。