2月を振り返る② 壁男

開催が2月11日なので、もう一月程前になのですね。
ヴェールボアのイベントの中でも人気のコンテンツ。

「村岡啓介朗読ライブ」もvol.4。
FMおたるチーフアナウンサーの「読み」を堪能して頂く企画ですが、今回はやはりFMおたるでパーソナリティをされているミュージシャンおがわとーるさんにストーリー・演出・音楽を担当して頂きました。

このお二人、今までも様々な形でタッグを組んでいて、とーるさんが書き下ろしたストーリーを、村岡さんが読み、さらにとーるさんがギターでBGMを添えるという形式も初めてではありません。

そもそものきっかけはヴェールボアスタッフの智清が、「壁と会話をする男」というイメージを誰かにストーリーにして欲しいと考えた所から始まり、とーるさんが賛同して下さり、企画が膨らんでいきました。

ストーリーを練り上げ、イベント内容を具体的にする中、「壁と会話する様をヴィジュアル的に演出する」というアイディアがでてきました。
この案の出発点は、「村岡さんの影を壁に投影する」でしたが、会話するには影と村岡さんが向かい合ってなければおかしいけれど、その仕掛けを作るには色々と困難な状況。
それを解消したのが、プロジェクターを使う事。

撮影しているリアルタイムの村岡さんの顔を、映像ソフトを使って左右反転させ壁に投影する。
これで、村岡さんが壁と向かい合うという構図ができました。
プロジェクターの活用によって、壁との会話以外のシーンもシチュエーションに合ったイメージ映像を用いる事が出来、より世界観が膨らみました。
この技術的な面をご協力くださったのが、クリエーティブサポートC−ricさん。

こうして、様々なタレントが集まる事で、今回の演目が可能となりました。

まず、村岡さんの「読み」が一味違いました。
背中を預けられる盟友おがわとーるの存在の為でしょうか、のびのびとした雰囲気で、頭からトップギアで「壁男」の世界に聴く人を引き込んでいきました。

それに寄り添う、とーるさんのギターによる生BGMは、緩急自在に村岡さんに合わせストーリーの世界をよりリアルに感じさせます。

そのストーリーも、詳細は伏せますが、聴く人のイマジネーションを刺激し、カフェでライブを観ているという現実が希薄になっていき、アパートの一室の中で壁との会話を覗き見て、聴き耳を立ててしまいます。
そしてクライマックス。

しかし終了後、意識はしばらく現実に帰りきらなかったお客様も多かったようです。

カフェという空間でできるコンテンツとして、面白い取り組みが出来たと思います。
それを可能にしたのは、何より様々なスキルを持った方々がいての事。そんな方々の取り組みを、多くの方に知って頂きたいという気持ちがより強くなりました。

今回の「壁男」再演の声も頂いております。
何かの形で、今回見逃した方にも楽しんで頂けるように考えたいと思います。

朗読ライブが終わった時にいつも話題になるのは、次の演目をどうするか。
楽しみにお待ち頂きたいと思います。