もう一つのラブソング

遅ればせのライヴレポですが、11月27日に開催された
「原口純子 〜2014 LOVESONG TOUR in 小樽〜」につきまして。


全国をツアーで周られる原口さんはラブソングの歌い手とご紹介してよいのかもしれません。
でも、私にはそれ以上に、女性の生きざまの語り手のように思える事があります。
深く響くギターの音色に重なる少しハスキーな歌声は、女性の想いを紡いでいくようです。

「のな」さんは、そんな歌の主人公の一人のようにも思えます。
二人の小さなお子さんがいらっしゃるママさんミュージシャンののなさんは、まさに子育てが一番大変な時期ですが、やはりミュージシャンの旦那さんのバックアップもあり、中断していた音楽活動を少しずつ再開している所で、ヴェールボアでもオープンマイクに参加して下さいました。


原口さんとのなさんは、札幌のライヴ会場で知り合い、ライヴ会場で親交を深めていたのですが、のなさんの結婚を境にあう機会も途切れたいたそうです。

それが今年の7月にヴェールボアでの原口さんのライヴの際、開演前にのなさんが訪ねてきての再会。
今回のライヴでののなさんのオープニングアクトは、その時からの約束でした。

それだけ、のなさんにとって原口さんは尊敬できる特別な人であり、原口さんにとってものなさんは愛情を注ぐ、音楽の、人生の後輩であるようです。

ライヴでも、のなさんはリスペクトの気持ちをのせてオリジナルのラブソングを歌い、原口さんは恐らくは子育てをがんばっているのなさんへの想いをのせて自分の母親にちなんだ歌を歌っていました。
想いは空気に滲んで温もりに変わります。
とても、温かなライヴでした。


ライヴ開催にあたってはネット上で連絡や確認をして準備をしていたわけですが、ライヴ終了後の数日も、そこでは原口さんとのなさんの会話が続きました。
お互いへの、愛情と敬意が込められたやりとりは、さながらライヴでは歌われなかった「もう一つのラブソング」。
女性として、生きる事、歌う事。
女性でも、ミュージシャンでもない私には、端からその大変さを理解は出来にないと思います。
でも、もう一つのラブソングはきれいな歌だと感じる事は出来ます。
来年の原口さんの北海道ツアーで、二人はヴェールボアでの再会を約束しています。
心のぬくもりが溢れ返るような、優しさに満ちたライヴとなるでしょう。
今から楽しみです。

ぼあ